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私たちが挑んだのは――

「派手すぎない華やかさ」と「絶対的な実用性」を追い求め、LASIEMが挑んだのは光の角度で表情を変える特注「オーロラレザー」の開発でした。  

 しかし、外部機関の過酷なテストで最高評価を獲得した直後に待っていたのは「革が剥がれる」という悪夢のような試練。量産直前の絶望から、手作業で3,000回以上の折り曲げテストを重ねて掴み取った、妥協なき試行錯誤と執念のストーリーです。

 

今回は、この挑戦を率いた企画担当の田中に、完成に至るまでの裏側をインタビュー形式でじっくり聞いてみたいと思います。

LASIEM

語り手:田中 / 商品企画担当

聞き手: LASIEM編集部

なぜ、大人のための「オーロラ革」だったのか?

―― 今回リリースされる新作ウォレット、光の当たり方で色合いが変わって本当に綺麗ですね。まずは、この「オーロラレザー」で作ろうと思ったきっかけから教えていただけますか?

田中:出発点は、35〜45歳の大人の女性たちが抱える「リアルなお財布選びの葛藤」でした。「定番の黒やブラウンは無難すぎてつまらないけれど、派手すぎて安っぽく悪目立ちするのは絶対に避けたい」という本音です。
キャッシュレス化で財布が小型化しても、家計を預かる女性にとってカードや現金の収納力は譲れません。実用性を備えつつ、バッグから取り出した瞬間に「なんかいい感じ!」と気分が上がるお財布を届けたいと思ったんです。

―― 確かに、大人が持てる上品なオーロラカラーのアイテムは市場でも珍しい気がします。

田中: そうなんです。国内外を探しても「本革(牛革)× オーロラ」の財布はほぼ存在しませんでした。既存のオーロラ生地を取り寄せてみても、どれもツルツルしたビニール(PU)感ばかりで、私たちが求める「大人の品格と高見え」には程遠い。
「世の中にないなら、ゼロから私たちらしいオーロラレザーを作るしかない!」と、すでに自社で人気だったメタリックレザーの質感をヒントに、完全オリジナルの特注革開発を決意しました。

会議を通す前に走り出した、前例なきプロジェクト

―― ゼロからの素材開発となると、ハードルも高かったのではないでしょうか。

田中:実は2026年3月の立ち上げ当初、堅苦しい社内提案会議や正式承認を経てスタートしたわけではないんです(笑)。「絶対に可愛くなる」「日常の中でふと気分が上がる特別な体験を届けたい」という純粋な熱量だけで動き出しました。
もちろん、「世の中にないということは、技術的に無理だからでは?」という不安はありました。でも、長年付き合いのある提携工場の熟練職人さんたちに相談し、一つひとつ表情が異なるシワ感と絶妙な輝きを持つ革を試行錯誤しながら形にしていきました。

突きつけられた悪夢。屈曲5万回クリアからの「ハガレ」

―― 順調に進んでいたプロジェクトですが、量産の直前で最大の危機があったそうですね?

田中:はい……あれは本当に悪夢でした。外部の公的検査機関で行った過酷な耐久テスト(屈曲5万回、摩擦スレ5,000回)で、最高ランクの「4〜5級」という素晴らしい数値を叩き出していたんです。
チーム全員が「これなら完璧だ!」と確信していた矢先、完成した最終試作品の角や持ち手から、オーロラがベロリと剥がれてしまったんです。

角の剥がれ

持ち手の剥がれ

生地のたるみ